お役立ちコラム
オウンドメディアの運用で獲得できる潜在顧客層とは?
ここ数年でオウンドメディアを運営し始めるところが増えていますね。これはコンテンツマーケティングの一つの手法として独自のオウンドメディア構築すると言う方法が注目されている事で、ECサイトなどでは『ECサイト+オウンドメディア』の状態で開設するところも増えています。
オウンドメディアとは「起業が自社で保有するメディア」の事を差し、自社商品やサービスのターゲットや潜在顧客に向けて情報発信する為のプラットフォームとして利用されます。こういったオウンドメディアを利用したコンテンツマーケティングに取り組む企業はここ数年で飛躍的に増えていますが、成果指標をどこにおけばいいのかもわからず、いまいち成果を実感できないというお話は多くあります。ECサイトの様に販売に直結する施策として運営する場合は比較的成果指標の判断も簡単かもしれませんが、そうではない事業者が運営する場合は効果測定が難しく途中で取り組みを辞めてしまうといった事も多くあります。
それでは『オウンドメディアを運営するに当たっては「どこに?」又は「何を?」指標にすればいいのだろう?』と言うのが多くの方が持つ疑問だと思います。
そこで今回はオウンドメディアを運営するにあたって押えておくポイントや成長させるにはどのような分析が必要かをご紹介したいと思います。
CONTENTS
オウンドメディアとは
まずはオウンドメディアとは何なのかといった部分を簡単にご紹介しておきます。
上述していますがオウンドメディアを一言でいうと『起業が自社で保有するメディア』の事です。これは、ある企業やブランドが自社製品の紹介やサービスの情報発信はもちろんの事、自社のターゲットや潜在顧客とのコミュニケーションを目的としたり関係構築を図る物の事を言います。
オウンドメディアは基本的にwebサイトやブログとして構築されますが、通常のコーポレートサイト等とは違い「潜在的なユーザーの視点に立ったコンテンツ作り」が大切です。オウンドメディアが持つ役割はただ単に情報発信を行うだけではなく、潜在的ユーザーに有意義な情報発信を行うことで自社のファンやリピーターを獲得することだからです。例えば、最近大々的に開始された高級時計のレンタルサイトが運営するオウンドメディア等は自社が取り扱う製品の紹介だけではなく、時計の修理方法やメンテナンス方法、ブランドの歴史などユーザーが知りたいと考えているような情報をコンテンツとして発信しています。皆さんがオウンドメディアで情報収集する時の事を考えて頂ければより理解できると思いますが、商品やサービス以外の様々な有益な情報が日々更新されるサイトのリピーターになっていませんか?オウンドメディアはこういったユーザー視点に立った情報発信によって潜在的ユーザーの囲い込みや企業自体の価値を高める役割を持っているのです。
因みにSNS等の様に信頼や評判を獲得する物を『アーンドメディア』、広告枠を持つメディアが『ペイドメディア』と呼ばれ、これらはオウンドメディアと合わせて『トリプルメディア』と呼ばれています。トリプルメディアはそれぞれに特色を持っており、効果的に使い分けることによってより情報発信を効果的に行うことができます。
コンテンツマーケティングとオウンドメディア
『コンテンツマーケティング』と『オウンドメディア』はたびたび同議で語られることも多いですが、コンテンツマーケティングはマーケティング手法の一つであり、オウンドメディアはあくまでもメディアでもちろん違うものです。
近年注目度がましているコンテンツマーケティングは簡単に言うと「コンテンツを軸にしたマーケティング手法」の事を指しており、このコンテンツには紙媒体、TV、ラジオ、webなど様々種類の物が存在します。その中でもひときわweb界隈での注目度が上がってきており、コンテンツの発信先に「オウンドメディア」を選択すると言うケースが多くみられるのです。
ではなぜweb界隈でコンテンツマーケティングが注目されているのでしょう?様々な要因が考えられますが主な要因として以下の2つが良く言われています。
- SEO対策の変換
- 「売込み型」マーケティングの限界
webでの集客施策として最も効果的に見込み顧客を獲得する方法は長らくSEOとリスティング広告の2つだと考えられてきました。しかし、近年では従来の方法だけでは通用しなくなってきたため新たな手法としてコンテンツマーケティングが注目されているのです。
従来型のSEOからコンテンツ重視に変換
従来型のSEOとは、2012年以前のSEO対策のことで、当時のSEOはワードサラダ等とも呼ばれる内容が支離滅裂な文章の寄せ集めや自作自演などの検索エンジンのアルゴリズムの隙をついた手法が効果的と言われていました。実際にgoogleのガイドラインに違反するような行為で対策を行っていたとしても上位表示は可能だったのも事実です。
しかし、検索アルゴリズムが大幅に変更されて以降は、上述の様な所謂『小手先のテクニック』は通用しなくなり、googleのガイドラインに沿ったwebサイトが正当に評価されるようになっています。この『googleのガイドライン』は様々な要素がありますが、大まかに説明すると「ユーザーにとって有益で使いやすいwebサイト」を増やすことが目的と言われています。
その為、近年のSEO対策ではユーザーの目線に立つことが非常に重要な要素で、その中でもユーザーに有益なコンテンツを追及することが非常に大切になっています。このことからオウンドメディア形式のコンテンツが非常に注目を浴びているのです。
「売込み型」から潜在顧客へのアプローチに変換
近年では企業などが当たり前に行ってきた「売り込み型」と言われるようなの宣伝手法が通用しなくなってきたと言われています。これにはネットの普及によりユーザーが自ら知りたい事や欲しい物の情報を積極的に取得しに行くというユーザーのアプローチ方法が変わったことによります。ここで考えておきたいのは顧客のニーズには「潜在ニーズ」と「顕在ニーズ」の2種類があるという事です。
「潜在ニーズ」とはユーザー自身が自分の課題に『気づいていないor気づいていたとしても問題ととらえていない』状態の事で、「顕在ニーズ」は既に“問題解決をしたい”とニーズが顕在化している状態です。
今まで主流であったリスティング広告等の検索連動型広告は、ニーズが明確化している(顕在ニーズ)ユーザーに対しては非常に効果的なアプローチとして多くの企業で活用されています。この広告方法はユーザーに直接アプローチ出来るので『費用対効果』がいいと多くの企業が出稿し、価格が高騰してきました。しかし絶対的な母数は増えない為ここのみで戦うのは難しいのが現状です。
その為、多くの企業は「顕在ニーズ」のユーザーだけではなく「潜在ニーズ」を持ったユーザーへのアプローチが必要との認識が大きくなっているのです。この「潜在ニーズ」のユーザへは『最新トレンド情報の紹介』や『疑問の解決』等と言ったコンテンツが有効になってくるので、オウンドメディアでのコンテンツマーケティングが注目されているのです。
オウンドメディアでできる事とそのメリット
上記の様な事を踏まえてオウンドメディアを利用したコンテンツマーケティングにできる事、メリットとは何なのかをご紹介します。
基本的にオウンドメディアの場合、「顕在ニーズ」を持ったユーザーへの直接的なアプローチや即時的な成果は難しいと言われています。オウンドメディアを利用したコンテンツマーケティングは「潜在ニーズ」を持つユーザーを幅広く囲い込み、そこから自社の製品・サービスの認知を行い、将来的に顧客に育成すると言う流れを生み出すための物です。実際に「オウンドメディアは中長期的な取り組みだからすぐに売上にはつながらない」という話を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか?それではオウンドメディアを利用したコンテンツマーケティングを行うことにはどのようなメリットがあるのでしょうか。代表的な物をいくつか以下に紹介します。
1.コンテンツの蓄積で広告の費用対効果が改善
コンテンツマーケティングは一度発信したコンテンツがその情報価値が失われない限り永続的に広告機能を発揮し続ける『蓄積効果』を持っています。この『蓄積効果』はその他の従来型の広告には無い非常に大きなメリットです。簡単に言えばコンテンツの配信を継続的に行い、コンテンツが増えれば増えるほど顧客との接点が増え、広告の費用対効果も改善されていきます。もちろん成果が表れる時期やコストの削減率は発信する企業のサービスや製品によって変わりますが、継続するだけでコスト効率が改善する稀有な手法です。
2.自社のブランディング・信頼性を上げる
コンテンツマーケティングはユーザーが知りたい情報を検索して流入してくる物である為、ユーザーが『興味を抱く有益な情報』を継続的に発信することによって、それを見たユーザーは「信頼できそうな会社だ」「専門性のある会社だ」と認識をしてくれるようになります。もちろん正確で有益な情報発信を続ける必要がありますが、それによって自社が『専門家』として信用されると言うのは大きなメリットです。現在、自社のブランド力が弱い、専門家としての認知度が低いなどの課題がある場合は非常に有効な手法がコンテンツマーケティングです。
3.顧客ロイヤリティーを高める
これは「2」の信頼性にも関連していますが、『自社のブランド力』を上げることにより顧客ロイヤリティ(信頼や愛着)を高めることができる事です。皆さんも有益な情報を掲載しているオウンドメディアを見た時に「惜しげもなく役に立つ情報を発信してくれて、なんていい会社なんだろう」という印象を受けたことはありませんか?継続的に有益な情報を発信することによって顧客のロイヤリティを高めユーザーからの信頼は高くなります。顧客ロイヤリティを上げることは、他社との比較をされることも減り、価格競争に巻き込まれる事も減るでしょうし、継続顧客の獲得容易になるなど非常に大きなメリットがあります。
4.幅広い地域への情報の拡散
コンテンツマーケティングの特徴としてweb上なので地域が絞られないという事があります。ユーザーは検索エンジンやSNSを通して自然に皆さんが発信した情報にアプローチしてきます。そしてその情報が『面白い・役に立つ』と思えば勝手に拡散してくれるような仕組み(Twitter、Facebook)が現在はありますね!そうすると広告を頼らなくても口コミが働き情報は幅広い地域に拡散することができるようになります。実際に地方の企業が東京の一流企業と取引を開始したり、海外からの問い合わせが入るなどの例は多く存在します。こういった事をTVCMや紙媒体で行うことを考えた場合どれだけの広告費用が掛かるか想像もできませんね!
オウンドメディアを利用したコンテンツマーケティングに自然と幅広い地域に情報を拡散できる大きなメリットがあります。
オウンドメディアを運営するにあたって押えておくポイント
それでは最後に『オウンドメディアを運営するにあたって押えておくポイント』をご紹介します。オウンドメディアは継続的に有益な情報を発信し続けることが重要ですが、知っておいてほしい事として「すぐに売上にはつながるわけではない」という点があります。
オウンドメディアの運営上、最も多い失敗例として「効果を実感できないからコンテンツ配信を辞めてしまう」という事です。これの理由はオウンドメディアの『成果基準』を全く考えずに「オウンドメディアが最近はやっているらしい」と言う程度の認識ではじめてしまっている事が大きな理由でしょう。上述している通りオウンドメディアは『潜在ニーズ』の掘り起しが大きな目的であり『顕在ニーズ』へのアプローチとしては弱い手法です。その為、即時的な効果を求めることはそもそも間違っています。
オウンドメディアを利用したコンテンツマーケティングはあくまでも『新規顧客』獲得を目的とし、皆さんが運営するオウンドメディアに訪問した顧客をリマーケティング広告(リターゲティング広告とも呼ぶ)等で追いかけて、 コンバージョンに繋げていくという流れをつくる物と考えておくことが重要です。